令和3年度 会長所信

令和3年6月10日

尾道市立小中学校校長様
単PTA会長・母親代表様
市P連執行役員様

 

尾道市PTA連合会
第24代会長  吉浦 史貴

 

 

令和3年度 会長所信

 

 「未曾有の」とか「試練」などの言葉では説明しきれない、100家庭あれば100通りの経験をした1年間でした。新型コロナウイルス感染症の拡大により、子どもたちの学校生活は元より、大人達の生活もその影響を大きく受けることになりました。

 ご家庭では、突然決まった休校中の子ども達の昼食の用意も、とても大変だったと思います。大変なご不安とご心配を抱えて過ごされたことは想像に難くありません。いつもよりも子ども達とふれあう時間が増えて良かった、というご家庭もあれば、子ども達の元に帰れなかった、というエッセンシャルワーカー、医療従事者のご家庭もあったと思います。その中でも、必死に子どもたちの生活を守ってくださった保護者の皆さまに、心より感謝申し上げます。また、学校では、先生方は日々の業務に加え、椅子や机を一つ一つ消毒するといった、万全の感染症対策を行ってくださっています。この場をお借りして、教職員の皆さま、尾道市教育委員会の皆さまにも、心より御礼申し上げます。 

 さて、新型コロナウイルス感染症の拡大は、市P連活動にも大きな影響をもたらしました。9月、11月に予定しておりました「第19回市P連親睦ソフトバレーボール大会」、「第16回尾道市教育フォーラム」を中止とし、その予算を、緊急アルコール消毒液配布や、ペダル式消毒液ホルダー配布、シトラスリボンプロジェクトに振り向けました。

 バレーボール大会やフォーラムは、毎年多くの方が参加される、とても大切なイベントであり、大変残念な判断でした。活動に携わる方の多くが楽しみにされていた活動を満足に行うことができず、心残りを感じているとのお話を多数伺いました。また、その活動が中止になった事で引継ぎが十分に行えず、新年度の役員・委員の皆さまがご不安やご心配を抱えられている事も、ご相談を受けています。市P連ではそうしたご不安やご心配に寄り添って、各校PTAの皆様とより連携を深めて今後も活動を行ってまいります。 

  「シトラスリボンプロジェクトinおのみち」におきましては、年末年始の忙しい時期でありながら各校、各ご家庭でいろいろな形で取り組んでいただき、ありがとうございました。このプロジェクトをきっかけに、コロナウイルスに罹患した方、またそれに関わる人達への差別や偏見について考える授業をされた学校もあると伺っております。子ども達の中で、コロナ禍が何かの糧になり、優しい大人になってくれることを祈っています。 

 恒例行事を中止して、緊急的な物品配布や、啓蒙活動を行なったのは今回が初めてのこととなりました。我々の社会生活の中でも様々な見直しや簡素化が進められる中、PTAの活動を行う上での課題も、いくつか浮き彫りになったと認識しております。

 良い意味でも悪い意味でも前例踏襲を是とする流れのあるPTA活動に於いて、今後私たちはどのように考えどのように行動して行くべきか。「毎年やっているから」「いつもこうだから」ではなく、今この困難な状況だからこそ、「本当に必要な事は何か?本当に大切な事は何か?」を再考してみる必要があると考えております。

 市P連では、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけとして、市P連自体の運営はもとより、単位PTAの運営に携わる皆さまの運営に資することを目指し、顕在化した課題への取り組みをフットワーク軽く、スピーディーに進めてまいります。 

今年度のPTA活動の多くは、新型コロナウイルス感染症の状況推移を踏まえながら進めていくことになり、これまでの経験だけに頼ることができません。活動に携わる方同士の連携、あるいは、学校単位のPTAの垣根を超えた情報共有がこれまで以上に求められる段階にあると感じております。

 どんな時代であろうと時間だけは変わらず流れます。時はコロナ前に戻ることはないし、我々の価値観も戻ることは無いと考えます。尾道市PTA連合会が今後どうあるべきか、時代に合わせた活動のあり方を皆さまと共に考え、必要と判断した事に対しては、慣例を恐れず、変化に向けて努力をしていく所存です。引き続き、お力添えのほどよろしくお願い申し上げます。